ホアファット、鉄道レール生産に向け独SMSと契約

鉄鋼大手のホアファット・グループ(HPG)は5月29日、製鉄設備大手の独SMSグループとの間でレール用鋼材や特殊鋼の生産ライン設置に関する契約を締結した。年産能力は70万トンで、2027年第1四半期に高速鉄道向けレールの出荷を開始する計画。これにより、ホアファットは東南アジアで唯一の高速鉄道レール製造会社になるという。

 SMSが生産ラインの技術や設備を提供する。欧州最新鋭の設備を採用する計画で、4ロール式圧延機による高精度な加工や、レーザーによる正確な表面・形状計測、超音波による欠陥検出を可能とする。

 また非破壊検査(NDT)システムや直線矯正機、焼き入れ・穴あけ装置なども設置する。主要設備はドイツ国内で製造され、厳格な品質管理の下で組み立てられる。

生産ラインの新設により、ホアファットは都市鉄道や高速鉄道、クレーン向けのレールに加え、U、I、H、V形鋼などの特殊鋼をラインアップに加え、国内外のインフラ需要に応える。レールについては、最長100メートルの製造が可能で、高い直線性、平滑性、硬度を実現。欧州規格「EN 3674」、日本工業規格「JIS E1120」、中国規格「TB/T2344」など、国際的な基準に適合する。

 同社は今回の投資を通じ、南北高速鉄道の開発を含む国家インフラ事業への安定供給を目指す。チャン・ディン・ロン会長は、高速鉄道やエネルギー、機械、国防分野向け高級鋼材の生産体制を強化し、輸入品の代替を進める方針を示した。

 同社は鉄鋼事業を中核とし、農業や畜産、家電、工業団地などの事業も手掛ける。21年にはコンテナ事業に参入するなど鉄鋼製品のラインアップを増やしている。中部クアンガイ省では一貫製鉄所「ホアファット・ズンクアット・コンプレックス」の第2期開発を進めており、年内の稼働開始を予定。完成後は鉄鋼の年産能力が全体で1500万トンに到達する見込みとしている。

 一方、生産ラインを供給するSMSグループは、鉄鋼・非鉄金属向け設備分野の世界企業。140年以上の歴史を持ち、1990年以降、世界各地で14本のレール製造ラインを納入した実績を持つ。

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