ベトナム カジノの建前と現実 政府「自国民は禁止」で議論白熱

ベトナムで同国初となるカジノつき統合リ ゾート施設の建設を機に、カジノをめぐる理想と現実がせめぎ合う議論が激しくなっている。同施設は税収と雇用、そして海外からの投資などを増やしたい政府 が認可した総工費42億ドル(約3340億円)の大型プロジェクト。現在、南部の商業都市ホーチミンに近いブンタウで建設作業が進行中で、来年3月に 「MGMグランドホトラムビーチ」としてオープンする予定だ。

 ◆ギャンブルは社会悪
 現地紙ベトナム・インベストメント・レビューなどによると、同国政府は今後も統合リゾート施設の建設を推進する方向で関連法の整備を急いでいるが、中でもカジノに関する新法令に注目が集まっている。
 現在、ベトナムにはカジノが7カ所、およびスロットマシンなどのゲーム機を備えたカジノに類する施設が43カ所あり、いずれもホテル内に設置されてい る。利用者は外国人と、外国の市民権を有するベトナム人に限定されており、政府は「ギャンブルは社会悪」との認識から自国民の入場を禁じている。
 しかし、現実にはカジノで遊興するベトナム人が少なからず存在する。隣国のカンボジアやマレーシア、シンガポールなどのカジノには多くのベトナム人旅行 者が訪れており、ホーチミン市内には外国への格安カジノツアーを主催する旅行事務所もあるという。
 ベトナム商工会議所の幹部は、ベトナム人の国内外におけるカジノ利用実態に関する調査が実施されていないと前置きしながらも、隣国の国境に近い地域に多 数のカジノがあると指摘。「相当数のベトナム人が国境を越えて利用している」と述べ、収入などに厳格な条件を課したうえで、自国民の国内カジノ利用を認め るべきだとの見解を示した。
 ◆投資は集まるのか
 こうした意見に対し、財務省が作成した法令の草案によると、政府は引き続き自国民の入場を禁じる方針を変えていないもようだ。それだけでなく、カジノ面 積を統合リゾート施設内の3%以内に限定する(世界平均は4%)、入り口を1カ所としてカメラを設置する、規則違反の利用者には最高1億ドン(約38万 円)の罰金を科すなど、厳しい規制を導入することで政府の認識と現実のすり合わせを図っている。 自国民のカジノ利用禁止という政府方針へ の反応はさまざまだ。方針に賛同し、さらに設置数の上限設定や他の文化施設からの隔離、人口密集地での建設禁止など、一層の厳格化を図るべきだとする声が あがる一方で、ベトナム人を閉め出す施設に外国からの投資が集まるか疑問だという声もある。
 中には「ドアを開けて厳しい規制で縛るなら、カジノなどやめるべきだ」と主張する専門家もいるなど、今後、ベトナムではカジノをめぐる議論がますます白熱しそうだ。
 政府は今回の計画のほか、北部クアンニン省や中部ダナンなど5カ所に統合型リゾート施設を建設する意向を固めている。開発企業には40億ドル以上の投資 能力を求めるとしており、「ベトナム人のいないベトナムのカジノ」にどれだけの投資が集まるかが注目される。(シンガポール支局)
 

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